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旅のテーマ:「ぶらりあるき サンティアゴ巡礼の旅」安田知子著(1)

投稿者: dimaizum 投稿日: 2009年11月14日 5:20 PM0

「黄金の旅」のテーマ設定には色んなアプローチがあると思います。その1つに「日本百名山踏破」とか「日本百名湯めぐり」とか、全部制覇するのにかなりの日数を要するものを選定し、1つずつ着実にこなしていくパターンがあるかと思います。四国八十八箇所をめぐる巡礼もその1つ。そして巡礼と言えば…サンチャゴ巡礼が頭に浮かびます。

サンチャゴ巡礼は数が付く「○箇所めぐり」ではありませんが、いざ実行しようと思うと全行程800km、少なくとも40日はかかる非常に大型の旅の枠組みです。これも「○箇所めぐり」の1つと考えてよいでしょう。

pilgrim22007年7月から11月にかけて日経夕刊で週1回「還暦カミーノ~スペイン巡礼記」が連載されましたが、お読みになった方も多いかと思います。同紙編集委員の土田芳樹氏が還暦を迎えたのをきっかけに、自らの足でサンチャゴ巡礼路を歩き、レポートを書くという企画でした。当サイト運営人dimaizumもこの連載で初めてサンチャゴ巡礼のことを知りました。

サンチャゴ巡礼、なぜ気になるのでしょうかね?

「黄金の旅」の中身を考えて行くにあたって、サンチャゴ巡礼は絶対にはずせないと思いました。というのも、サンチャゴ巡礼は今日思い立って明日行けるような旅行ではありません。相応の準備が必要です。
その準備も、長丁場に備えた体のコンディションづくりはもちろんのこと、情報収集も必要ですし、それも単なる旅行の目的地の情報収集とは異なる、いわば一種の勉強が必要になると思います。

サンチャゴ巡礼がポピュラーな巡礼として確立した背景には何があるのか。多くの人はなぜその巡礼に赴くのか。自分が行く際には、どういう納得の仕方で行くのか(旅行が大型であるだけに、自分なりの納得が必要になります)。
出かける前にサンチャゴ巡礼に関するもろもろの事項の理解を深めておいて、そうしてすっきりとした納得感を持ち、それから行くのが順当ではないかと思うのです。

800kmを歩くというのは、自分が歩く場合もそうですが、1,000年前の人が歩いた時にも、現代に欧州の方が歩く場合にも、相当に大変なことです。その大変さを乗り越える自分なりの納得感というものが1,000年前の人にもあったでしょうし、現代の欧州の方にもあるでしょう。そうしたものを理解していくなかで自分の納得もできていくのではないかと思うわけです。

まずは関連の書籍を読むのがいいかと思います。ということでオンライン書店で数冊取り寄せてみました。まず最初に読んだのが安田知子著「ぶらりあるき サンティアゴ巡礼の道」(芙蓉書房出版)。

安田知子氏は1975年福岡生まれのライター。略歴には「40カ国以上を旅する。旅先では市場やスーパーマーケットを覗いて、食堂でごはんを食べて、通りで見かけたカッコイイ人を眺めるのが旅の基本スタイル。2004年に初めてサンチャゴ巡礼路を歩き、以来、歩く旅に魅了される。」とあります。まだお若い方ですね。

この本は非常に興味深く読めました。著者が自分の目で確かめ、歩いて確かめ、食べて飲んで確かめたものをさらりと書き綴っているのですが、最初は好奇心と高揚感でいっぱいだったものが、800kmの行程が進むのに応じて、段々と単調な日々になり、著者の心境にも変化が訪れ、考えが深まり、そして最終目的地のサンチャゴ・デ・コンポステーラに着いて感激に包まれる。そうした行程の一部始終がしっかりと追体験できるように書かれているのです。従って読み終わると、自分も800kmを歩き終わったかのような満足感が得られます。旅行記として非常に優れていると思いました。

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